「はたらいて、笑おう。」をスローガンに、これまで様々な人材サービスを提供してきたパーソルグループ。しかしサービスを通して、はたらく人々全てを笑顔にできたわけではありません。また、多様化するはたらき方や価値観とのズレが生じているケースがあるのも確かです。その証拠に、現代の「はたらく」ということに違和感を覚えている方もいるのではないでしょうか。

「日本の"はたらく"に対する価値観に対して課題認識を持っている人こそ、Dritに参加してほしい」
そう語るのは2021年4月より、新しくパーソルホールディングスの執行役員、パーソルイノベーション代表を務める長井利仁氏。これまでパーソルグループ内外で数々の事業立ち上げに携わってきた、新規事業のプロフェッショナルです。

今回は長井氏に、これまでのキャリアと合わせて事業立ち上げに必要なポイントと、パーソルグループが目指すビジョンについて語ってもらいました。

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長井 利仁
パーソルイノベーション株式会社 代表取締役社長

1998年4     コムテック株式会社 入社
2001年4     株式会社インテリジェンス 入社(現:パーソルキャリア株式会社)
2013年4     株式会社インテリジェンスビジネスソリューションズ(現:パーソルプロセス&テクノロジー株式会社社長執行役員
2014年4     株式会社インテリジェンスビジネスソリューションズ(現:パーソルプロセス&テクノロジー株式会社代表取締役
2016年4     パーソルホールディングス株式会社 執行役員(ITOセグメント長)2018年4     株式会社エス・エム・エス 入社
2018年7     株式会社エス・エム・エス 執行役員、株式会社エス・エム・エスキャリア 代表取締役
2018年10   株式会社モンスターラボ 取締役(現任)
2020年11   株式会社オプロ 取締役(現任)
2021年4月   パーソルイノベーション株式会社 代表取締役社長、パーソルホールディングス株式会社 執行役員(Solution SBU長)(現任)
2021年4月     47ホールディングス株式会社 取締役(現任)


「オペレーションは模倣されにくい」事業開発の経験で得た大きな学び

――まずはこれまでの経歴について聞かせてください。

私は新卒で入社したのは中堅のSIer。クライアント先に常駐してコンサルティングを行っていました。担当していた会社は新規事業にとても積極的で、優秀な社員を集めては毎年のように新規事業を興していて、隣で視ていて単純に格好いいと思っていましたね。

私はパートナーとしてシステムをサポートする役割だったのですが、自分でも事業を生み出してみたいという想いから、入社から3年経ったころに転職を決意しました。

事業立ち上げを経験するために転職した先は、当時のインテリジェンスと三井物産、そしてIIJの3社のジョイントベンチャー「ECサーブテクノロジー」というITソーシング事業を行う会社で、私は新しい機能の開発や、サービスラインナップを追加するためにSIerやネットワーク会社の買収といった仕事を行っていました。

5年ほど経った2011年、ECサーブはインテリジェンスに買収されインテリジェンスグループに。しばらくはインテリジェンスのIT事業部として機能していましたが、2013年に再び独立(株式会社インテリジェンスビジネスソリューションズ(現:パーソルプロセス&テクノロジー株式会社)し、私が代表を務めることになりました。

その後、医療福祉分野で事業を展開するエス・エム・エスの人材系ビジネスを担う子会社にて代表を努めた後、2021年4月からパーソルイノベーションの代表を担っています。

――これまで様々な環境で事業開発をしてきたと思いますが、その中で特に学びになったことはありますか。

エス・エム・エスでの経験はとても学びになりました。エス・エム・エスは「医療・介護・福祉のインフラをつくろう」というビジョンのもと、40以上もの事業を生み出している会社です。

そこで学んだのが「オペレーションは模倣されにくい」ということ。エス・エム・エスの事業アイディアというのは決して奇抜のものではありません。仮に100万人が思いつくようなアイディアで、1万人が実際に事業を興しても、徹底してオペレーションにこだわれる人はそのうちのわずか。

エス・エム・エスは徹底して勝てるオペレーションを築き、常に改善し続けてきたからこそ成長を遂げてきました。例えばいくらAIを使ってビジネスをしようとも、データが溜まる仕組みがなければAIを活用しきれません。アイディアや技術だけでなく、いかにオペレーションにこだわれるかが事業成功のカギだと学びました。

 

 

継続的に顧客と繋がることで、新たな価値を創造していく

――これからパーソルグループが目指す未来について教えて下さい。

まずは私達がスローガンとして掲げている「はたらいて、笑おう。」についてもう少し詳しくお話しましょう。

私達がこれまで作ってきた人材サービスは、多くの価値を社会に生んできました。
例えばテンプスタッフは日本に派遣というはたらき方を広め、多くの人が仕事に就く機会を作りました。
一方で、正規や非正規といった区分が生まれたことも事実であります。社会に価値を届けるための新しいチャレンジやそこから常識が生まれると同時にこれまでになかった価値観や課題も生まれる。このことに向き合う必要がある。

自動車メーカーのボルボも次のようにいっています。「車は人の移動範囲を広め体験を豊かにした一方で、交通事故を生み出した。しかし大事なのは、交通事故をなくすために車をなくすことよりも、どうしたら安全な車を作れるか考えることだ」と。

私達が作ってきたサービスには、負の側面もあるかもしれませんが、それも踏まえて「はたらいて、笑おう。」が実現できるか考えていかなければなりません。メンタルヘルスなども含めて、心身ともにはたらき続けられる新しいはたらき方を生み出していきたいと思っています。

――では「はたらいて、笑おう。」を実現できるサービスを幅広く展開していくと。

いえ、サービスの領域は絞っていく予定です。私達は企業規模も大きく「はたらいて、笑おう。」というスローガンは広く解釈できるものの、あまり幅広く領域を定義してしまうと、リソースが分散されてうまくいきません。自分たちが解くべき課題をどう定義するのか、その見極めがとても重要ですね。

――今後、どの領域に絞ってサービスを展開していくのでしょうか。

実はまだ絞りきれていません。「はたらいて、笑おう。」を実現する手段は十人十色です。社内でも様々な意見が出ており、そのどれもがいいアイディアなので、これからそれを絞っていくところです。

私自身が思い描いているのは「継続的に顧客と繋がっていることで、新しい価値を生み出すサービス」です。現在の人材サービスはワンショットのビジネスで、収益モデルでみると、イベント業と変わりません。例えば研修が必要な時はお客さまから声がかかります。対価をいただき、「研修」の役務を提供するのですが、研修が終わってからどうなったのか、どれくらい成長したのかはわからないのです。

これは派遣業も人材紹介業も同じ。企業が採用したい時は声がかかりますが、採用できてしまえばそのあとに繋がることは難しい。しかし、もっと継続的に顧客と繋がっていれば新しい価値も生み出せるはずです。

例えば人材をマッチングできない職種業種というのは、それだけ社会の要請が強いということ。そこに向けて教育し、人材を提供できれば企業にとってもはたらく人にも価値を提供できるでしょう。今後はデータを活用しながら、よりマッチングの生まれる仕組みを作っていきたいと思います。

――どのような業界に課題を感じていますか。

例えばこれから日本の「雇用の集合場所」として挙げられている「サービス業」です。そして、私達はそこに対して適切なアプローチができていません。これからのノンデスクワーカーようなオフィス以外の職種が増えると言われている中で、そのような職種のマッチングやはたらく環境のデジタル化が遅れているのです。

現場ではたらく人達の機微をシステムに落とすのは難しいですが、これからノンデスクワーカーは日本全体の6割にまで増えると言われています。それだけの人たちにサービスを提供するということは、「はたらいて、笑おう。」を掲げている私たちにとっても義務でもあると感じますね。

 

 

人生を注いでアイデアと向き合ったDritプログラム社会の仕組みに対する違和感を、社会課題を解決する力に昇華していく

――これまでサービスを提供してこなかった、ノンデスクワーカー向けのサービスを実現するために、何が重要だと思いますか。

まずやらなければいけないのは「はたらく人が何を欲しているのか」を考えること。これまで人材サービスは基本的に顧客となる法人目線で作られてきました。BtoBのビジネスモデルを考えれば自然なことです。しかし、ユーザーのいない人材サービスでは結局法人に価値を届けることはできません。

これまで通りBtoBのビジネスモデルでありながらも、ユーザーが求めているものを突き詰めて考えた人材サービス。シンプルながらも、これまでそのような視点で作られた人材サービスは多いとは言えません。これから労働力が不足していく時代、エンドユーザーから選ばれるサービスでなければ生き残るのは難しいでしょう。

そのような視点で事業を作っていくのが、Dritで成し遂げたい一つでもあります。

――それはパーソル本体で実現するのは難しいのでしょうか。

パーソルはこれまで法人向けに価値を届けてきた会社です。そこではたらいてきたパーソルの社員も、いかに法人に価値を届けられるか考えてきました。新しくユーザー向けのサービスを考えるなら、新しい視点を持った人間と一緒にやりたい。だからこそDritでユーザーの視点を考え抜ける人を求めています。

――具体的にどのような方にDritに参加してほしいですか。

今の世の中の仕組みに違和感を持っている方です。今の不都合のはたらき方を生んでいるのは、どんな社会構造なのか、どんなサービスがあれば解決できるのか突き詰めて考えられる人ですね。

中には「自分は課題だと思っているけど、そう思っているのは自分だけかもしれない」と不安に思っている方もいるかもしれません。Dritに参加することで、自分が思っている課題が、みんなと共有できる課題かどうか明らかになっていくでしょう。逆に自分一人の課題だと思っていたことが、みんなも同じように感じている課題かもしれません。

――自分一人だけが感じている課題の場合、事業にするのは難しいでしょうか。

検証を行った結果、一人だけが感じている課題では、市場も無く仲間を集められないので事業化は難しいと思います。しかし、そういう方がDritに参加することが無駄だとは思いません。

なぜなら、周囲が気付いていないだけで、周囲からのフィードバックを得ることで1人の課題ではなく、社会の課題に昇華することもあるでしょう。つまり、プログラムに参加することで問題意識が磨きこまれる、またはチューニングすることも普通にあるからです。周りの意見に触れてアイディアをブラッシュアップさせることで、自分だけの課題がみんなの課題に変わっていくこともあります。そのように仲間と話すことで化学反応することもあるので、違和感を持っている方はためらうことなく参加してほしいですね。

――最後にDritに興味を持っている方へのメッセージをお願いします。

今ははたらくことに対する価値観が大きく変化している時代です。例えばZ世代やミレニアル世代と呼ばれている方の中には、早期退職して自由に生きるのが格好いいという考えを持つ方も少なくないでしょう。

そのように、従来のはたらき方とは違った視点を持っている方が新しい価値を生み出していくはずです。仕事に対して、昔のように「給料をもらうためのもの」という狭義のものから「社会でのあり方を作るもの」という広義での捉え方ができる方はぜひ応募してみてください。

パーソルにはあなたと同じ様に、今のはたらき方に疑問を持っている方、新しいはたらき方を生み出していきたい方が大勢います。同じ様に今のはたらき方を変えていく仲間は大きな価値になるはずです。あなたが持っている違和感を、課題解決のための力に昇華するために、ぜひDritを活用してください。


★現在、第3期プログラムのエントリー受付中。〆切は6月18日(金)まで!みなさまの事業アイデアお待ちしております!※詳細は公式サイトをご確認ください!

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